看護師さんのためのドレーンの理解と管理講座

腹腔ドレーンの挿入部位

腹腔ドレーンは、術後、死腔ができ、体液が貯留しやすい部位に留置します。

 

@ 右横隔膜下のドレナージ

 

肝右葉と横隔膜の間に留置します。

 

A 左横隔膜のドレナージ

 

脾臓と横隔膜の間に留置します。

 

B ウィンスロー穴のドレナージ

 

大網と小網によって形成される腹部の空間で、
胃と肝の背側にある空間「網嚢」に留置します。
この網嚢にドレーンを留置することにより、
肝下面に留置したドレーンが変異しにくくなるというメリットが得られます。

 

C モリソン窩のドレナージ

 

右腎と壁側腹膜で形成されるくぼんだ部分を、「モリソン窩」といいます。
このモリソン窩も、腹腔ドレーンの挿入部位です。

 

D 右傍結腸溝のドレナージ

 

右の結腸の外側に留置します。

 

E 左傍結腸溝のドレナージ

 

左の結腸の外側に留置します。

 

F ダグラス窩のドレナージ

 

女性の場合は、直腸と子宮後面の間に留置します。
男性の場合は、直腸と膀胱の間に留置します。

排液のメカニズム

腹腔ドレーンは、開放式ドレーンを使用する場合と、
閉鎖式ドレーンを使用する場合があります。

 

・開放式ドレーン

 

開放式ドレーンは、ドレーンの端を体外に出たところで切り離し、
排出された裨益をガーゼや吸収性ドレッシング材に吸収させます。

 

開放式ドレーンは、排液が少なく、早期に抜去することができると予測される場合に使用されます。

 

そして、開放式ドレーンは、自然圧差や重量、オーバーフローを利用し、排出させます。

 

・閉鎖式ドレーン

 

閉鎖式ドレーンは、ドレーンの先端を排液バッグなどに接続し、
自然の圧差や重力で排液を行うものと、
さらに持続吸引機に接続して、陰圧を加え、排出を促すものがあります。

 

排液バッグは、挿入部よりも低い位置になるようにセットします。
このとき、排液バッグが床に着かないように気をつけてセットすることが大切です。

 

閉鎖式ドレーンの方が、感染のリスクが少ないため、
殆どの場合、閉鎖式ドレーンを選択します。

腹腔ドレーンの目的

腹腔ドレーンの目的には、以下の様なものがあります。

 

・感染源となりうる液体の貯留を防ぎ、感染を防止する。
・排液から患者さんの状態を把握する。

 

そして、どのような手術を行ったか(どの臓器を手術したか)によって、ドレーンの留置部位は変わります。

 

最近の医療の現場では、患者さんの苦痛を軽減するためにも、留置する本数はなるべく一本にし、
留置期間は短くするようになってきています。

 

ただ、腹膜炎の場合は、数本留置する事もあります。