看護師さんのためのドレーンの理解と管理講座

脳神経外科のドレーンの挿入箇所

脳は、硬膜・クモ膜・軟膜につつまれてて、
髄液は、脳の周囲や隙間を満たし、保護しています。

 

脳神経外科のドレーンの目的は、疾患や手術によって脳頭蓋に溜まった血液や、
循環や吸収が阻害された髄液を排出させるというものです。
そして、血液や髄液を排出することによって、脳圧の亢進を防ぐことができます。

 

血液や髄液が溜まってしまうと、脳圧が亢進したり、
脳が圧迫されることにより機能障害や神経障害などが起こります。

 

特に、脳圧亢進は、呼吸障害、極度の脱水、電解質代謝異常、
脳虚血などをひきおこし、死に至らしめる事もあります。

 

また、脳圧の測定や薬液・人工髄液の注入に、同じルートを使用する場合もあります。

脳神経外科のドレーンの留置箇所とは

脳神経外科のドレーンは、血流や髄液が溜まっている場所にドレーンチューブを挿入します。
留置される場所としては、「脳室」、「硬膜外」、「硬膜下」、「脳槽」、「脊髄」が主な場所として挙げられます。

 

@ 脳室ドレーン

 

脳室ドレーンは、中心部より顔面よりの部分である側脳室の前角に留置します。

 

A 硬膜外ドレーン

 

硬膜外ドレーンは、頭蓋骨と硬膜の間に留置します。

 

B 硬膜下ドレーン

 

硬膜下ドレーンは、硬膜とクモ膜の間に留置します。

 

C 脳槽ドレーン

 

脳槽ドレーンは、クモ膜腔(脳槽)に留置します。

 

D 脊髄ドレーン

 

脊髄ドレーンは、脊髄に留置します。

脳頭蓋内部のしくみ

脳頭蓋は、前頭骨、後頭骨、左右側頭骨などからなっていて、
脳などの中枢神経形が収まっています。

 

そして、脳は、大脳・小脳・脳幹からなっていて、
外側から頭蓋骨、硬膜・くも膜・軟膜という3枚の被膜に包まれています。

 

クモ膜下腔は、くも膜と軟膜の間にあり、
左右大脳間にある一対の側脳室で産生される髄液で満たされています。

 

脳室とは、大脳・小脳・脳幹の間に挟まれた空間のことで、
作られた髄液は、第3・4脳室を経由し、クモ膜下腔脳を満たし、
最終的には上矢状静脈洞に吸収されます。

 

つまり、髄液は、脳や脊髄を守り、機能を正常に保つ働きをしているのです。

排出のしくみ

・脳室ドレナージと脳槽ドレナージ/開放式ドレーン

 

脳室・脳槽ドレナージは、「開放式ドレーン」で、
主に、「ドレーン」、圧力を調整するための密閉容器「チャンパー」、
「排液チューブ」、「ドレナージパック」で構成されています。

 

「開放式ドレーン」は、「サイフォンの原理」によって血液や排液を排出するもので、
ドレーンチューブを液で満たした後は、
高低差による圧のコントロールのみで排液を促し、調整することが可能です。
脳室・脳槽ドレナージの圧のコントロールは、チャンバーの高さで調節し、
チャンバーは外耳穴の位置(0点)を基準として高さを設定します。

 

・硬膜外ドレナージと硬膜外ドレナージ/「閉鎖式ドレーン」

 

硬膜外ドレナージと硬膜外ドレナージの場合は「閉鎖式ドレーン」で、
ドレーンを直接ドレナージバッグに接続し、自然排出とするものです。