看護師さんのためのドレーンの理解と管理講座

腹腔ドレーンの基礎知識

腹腔には、消化器系と泌尿器系の臓器の殆どが存在しています。

 

横隔膜から下、骨盤までの間を「腹腔」といい、
腹腔内には、「肝臓」、「腎臓」、「大腸」、「小腸」、「胆嚢」、
「胃」、「膀胱」などの臓器が収まっていて、
腹腔は「腹膜」という薄い膜で覆われています。

 

腹腔は、胸腔とは異なり、陰圧になっていません。

 

腹腔ドレーンは、主に腹腔内にある臓器の切除手術の後、
死腔となって液が溜まりやすい部位に留置されるものです。

 

ドレーンは、患者さんの腹腔内の状態がどのようになっているかという情報を得ることができますし、
治療、或いは貯留されているものを排液させることができるとても重要なものです。
日々のアセスメントや観察を、怠ることなくしていくことが大切です。

手術部位と腹腔ドレーンの留置部位

・胃切除、脾臓切除、膵臓切除の場合 → 腹腔ドレーンの留置部位は、「左横隔膜下」

 

・肝切除の場合 → 腹腔ドレーンの留置部位は、「右横隔膜下 ウィンスロー孔」

 

・胃切除、肝切除、胆嚢切除術後も入ることがある → 腹腔ドレーンの留置部位は、「ウィンスロー穴 肝下面」

 

・大腸の左側を切除の場合 → 腹腔ドレーンの留置部位は、「左結腸傍溝 ダグラス窩」

 

・大腸の右側を切除の場合 → 腹腔ドレーンの留置部位は、「右結腸傍溝 ダグラス窩」

 

・直腸切除の場合 → 腹腔ドレーンの留置部位は、「ダグラス窩」

腹腔ドレーンを入れている患者さんの観察

(1) 全身の観察

 

・表情や顔色に変化はないかを確認します。
・口調や話をしている内容に異変はないかを確認します。
・バイタルサインに異常はないかを確認します。

 

(2) 排液の観察

 

・排液は、一日あたり100ml以下かどうかを確認します。
・排液の色に異常はないかどうかをを確認します。
・排液の性状はさらさらしているかを確認します。
・排液のにおいはしないかを確認します。

 

(3) 合併症の有無を観察

 

・頻呼吸やSpO2の低下は見られないかを確認します。
・腹部膨満、腹痛、圧痛、腹膜刺激症状、蠕動物音の減弱や喪失はないかを確認します。
・冷汗はないかを確認します。
・チアノーゼはみられないかを確認します。
・尿量が低下していないかを確認します。

 

(4) 刺入部・固定の観察

 

・刺入部から滲出液が漏れていないかを確認します。
・テープがよれたり、剥がれたりしていないかを確認します。
・チューブが抜けていないか、抜けかかっていないかを確認します。